今日では、医学やリハビリテーションの技術的進歩と身体障害者関連機器の革新によって、重度な障害を持っていても社会の一員として活躍する身体障害者も多く現れています。しかし依然として社会の身体障害者に対する考え方は弱者であり、保護や支援の対象が中心です。パラリンピックにより身体障害者スポーツ選手に対する正しい認識を得ることができました。次は社会人として自立し、仕事をして活躍する身体障害者を社会に認知させる事が必要だと考えます。

我々が目標とするのは、保護を中心とするものではなく、適切な機器や設備と制度によって可能になる機会均等、完全参加、自立生活、経済的自足の保証された社会です。これにより身体障害者を依存的、非生産的な人間とさせているシステムから脱却させ、一人でも多くの勤労者(=納税者)を作ることができ、身体障害者に対して使われる予算を、より効果的に使われるようにすることです。

これまでの障害者運動では『人権』や『権利』を武器に、公共の施設や生活安全保障に対する改善を求めてきました。成果となって現れているものも少なくありません。しかし、我々が目指すのは次のレベルでの改善です。米国や欧州の障害者先進国のように民間の商業施設や飲食店を含む全ての建物に対して改善を行うには『権利』だけでは不十分であり、権利に比例する身体障害者サイドの義務や責任を踏まえた上での提案が必要になります。

そのためには、社会の一員として仕事に就き、納税者であり消費者として生活している身体障害者の中でも良識と分別を持って活躍している者が集まり、権利や自由の獲得や社会の改善のためには義務や責任を負うことも厭わない者が、自らの経験や知識から意見をまとめ、具体的で実現可能な提案をしていく事が不可欠だと考えます。

社会人として仕事に就いて働く身体障害者のために我々が目標とするのは、「身体障害者の就労」という目的からひとつステップアップした「障害があっても昇進に対して均等な機会が与えられる体制」と「高齢化と共に生じる二次障害を防止して、定年まで働き続けることの支援」です。この2つの目的のために活動していきます。

また、新たに身体に障害を負った者に対しては、既に社会人として活動する者が手本になって、身体障害者としての『生活技術』の方法や知識を示し、適切な情報の提供や相談などを行うことで、早期に障害を受容させ、社会で活躍することを支援します。

私達は身体障害者だけでなく、高齢者、妊婦、一時的に障害を負った者を含むすべての人が暮らしやすいユニバーサルな社会を作ることを最終目標とします。

日本身体障害者社会人協会一同



HOMEはじめに設立動機理念と目的活動内容コンサルティングお問い合わせ
(C) Japan Association of Workers with Physical Disabilities